ビザ申請

はじめに

本記事では、ドイツでの博士課程を始めるにあたり必要な研究者ビザの申請について記したいと思います。

日本人は180日中最大90日間ドイツに滞在することが可能ですが、より長期間の滞在は出来ない上このビザでは就労が認められていないため、ビザに申し込む必要があります。ドイツでは博士課程学生は学生ではなく研究者として区分されているので、研究者ビザ(18d researcher visa)に申し込むこととなります。

なお、ここではドイツ出国前に研究者ビザを申請する方法について説明します。観光ビザだけでドイツに入国し、現地でビザを申請することも可能ですが、研究者ビザがないと給与がもらえないため博士課程を始めることができないことや、現地の事務手続きには時間がかかり、いつビザが発給されるかが不確実であることから、マックスプランク研究所側から日本にいるうちに事前にビザに申し込むように指示されたためです。マックスプランク研究所では、現地でビザを申請した結果取得に時間がかかり、博士課程の開始まで5ヶ月も待つ必要があったケースがあったそうです。これを聞くと事前に済ませる方が良いように思います。

ウェブ予約

ビザを日本で申請する際には東日本在住の場合は東京にあるドイツ大使館、西日本在住の場合は大阪のドイツ領事館に行く必要がありますが、ビザ申請のためには予約が必要です。東京のドイツ大使館は1か月と1週間前から申請の予約が出来るらしいのですが、1日に4枠しかないため枠がすぐに埋まってしまいます。ですので、早めの予約を心がけると良いと思います。予約は先着順で朝に予約枠が開放されるので、早めに起きて申し込むようにしましょう。私の場合は、予約を行ったのが4月1日で申請日は5月13日でした。

書類などの準備

大使館に持って行く必要のある資料は大使館のウェブサイトに記載されています。紛らわしかったのが、持ち物について書かれていたウェブサイトが2つあり、微妙に書かれていることが異なっていたことです。また、ネットには航空券や保険証書なども持って行った方が良いという情報もありました。以上を踏まえ、万全の準備をして不足のないように書類を揃えた結果、以下のものを持って行きました。

ただし、行きの航空券、入国から博士課程開始までの保険証書、および日本語の卒業証明書は必要なかったと思います。その理由については次に書きます。

当日の流れ

当日は朝9時の予約をして、10分前に行くように指示されていました。なので、20分ほど前に到着しました。受付でパスポート以外の顔写真の入った身分証を預けました。自分の場合は運転免許証を預けました。その後、 空港の保安検査場にあるような金属探知機のような機械を通過した後、電子機器をロッカーに入れるように指示されました。これは、大使館内に通信機器の持ち込みが禁止されているためだそうで、本などをリュックサックの中に入れたまま持ち込むのは大丈夫のようでした。

荷物を預け、通路を歩いて階段を登ると大使館の建物が見えます。建物に入るとソファーなどが置いてあるスペースで待つことになり、しばらくすると係員の方が名前を呼んでくれました。個室ではないのですが、大使館の方と申請者が話す半個室のブースが2箇所あり、係員と自分はガラスで分離されていました。 用意した書類を提出したところ、確認をされ、書類の一部は返されました。このとき、航空券、入国から博士課程開始までの保険証書、日本語の卒業証明書は返されました。(なので、これらの書類は審査に必要ないのではないかと思います。) 書類を一通り確認された後、機械で指紋を取り、ビザ申請料を支払いました。この申請料は75ユーロですが、その時点でのレートで日本円で払うことも、クレジットカードで払うことも可能です。 私の場合は12,400円を現金で払いました。

一つ安心していただきたいのは、事務的な作業だったためか、特に詰問されることもなく、淡々と終わりました。応対してくれた方は全員日本人だったので、英語を話す必要はありませんでした。

ビザ取得

月曜日にビザ申請を行ったのですが、その時にパスポートが大使館に預けられます。その後、同週の金曜日にビザが貼られたパスポートがレターパックで返ってきました。 自分の場合は、プログラムの関係でドイツには1年間しか滞在しないのですが、その1年分を全てカバーするビザを取得したので、ドイツ入国後にresidence permitを申請する必要はなくて済むということになりました。もし滞在期間分のビザが発給されない場合は、改めてドイツ国内で申請することになると思います。

参考情報

Visa - scientists and researchers(ドイツ大使館)就労・研修・研究滞在ビザ(ドイツ大使館)